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zoom RSS 150件の自転車死亡事故を分析する(2)信号交差点

<<   作成日時 : 2017/04/19 01:45  

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前回の続きです。

今回は、信号機のある交差点についてで、150件のうち43件(29%)発生している。
以下は独自に分類したもので警察の分類とは異なっているかも知れないが、出会い頭が27件と一番多く、次いで左折時、右折時の順であった。(参考サイト:イタルダ 交通事故統計用語解説集

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信号交差点ではほとんどが歩道からの横断によって起きている。
ただし、だからといって車道の安全性が高いということは言えない。
もともと歩道を通行する自転車のほうが多く、特に死亡事故の多い高齢者は歩道を走っているからだ。
出会い頭事故について言えば、基本的にはどちらかが信号無視をしていた可能性が高く、どちら側の違反にせよ、信号を守らなければ事故になるのは当たり前で、自転車が歩道から出たのか、車道からかをカウントして、安全性の比較をするのはあまり意味がない様に思える。
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イタルダの資料(出典1)によれば、自転車側の信号無視は62.2%
相手四輪車の信号無視は18.6%と、大きな死亡事故原因となっている。
上の事故概要図を見る限りでは、ほぼ全て、信号無視をしていないと発生し得ない様に思われるが、そういった範疇に入らない事故や、どちらの信号無視かが不明な場合もあると思われる。

たまたま先日のニュース(出典2)で、出会い頭の死亡事故は右からの自転車との衝突が多いという記事があった。
今回の私の調査でも同じ傾向が見られる。
上で見ていただいた様に、信号交差点での出会い頭事故、右からが左からの倍である。
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信号交差点以外を含めても右から48件、左から26件でニュースとほぼ同じ割合になった。
この理由について警察庁の資料(出典3)では、次のような理由をあげている。
・左方向からくる車両に気を取られる
・フロントピラーやサイドバイザーが死角となる
・ライトの車両右前方の照射範囲が狭くなっている

ただし、ここにはクルマのドライバーからの視点しか書かれていないようであり、自転車側から見ると次のような事が考えられる。(歩行者の横断も同じ傾向が見られるため、イタルダの歩行者の横断事故に関する資料を参考にした)
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右からのクルマは、最初の障害であるため特に注意が向き、距離が近いので「今なら、行ける or 行けない」の判断がしやすい。
しかし、次に左から来るクルマについては、注意が疎かになったり、より遠くのクルマが衝突の可能性を持っているため予測するのが難しい。
また通過したクルマが死角を作っている場合もある。
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特に渋滞で止まっているクルマの間を横断するのも大変危険だ。
これらは信号を無視して渡る場合も同様のことが言えるため、前述のような傾向がでていると思われる。

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左折事故

左折事故は全部で9件あった。
ほとんどが大きい交差点である。
9件中7件が貨物車で、そのうち6件が大型車であり、改めて大型車両の左折時の危険性が浮き彫りになった。
現在、大型車の死角を考慮しない学説が広められているため心配である。(以前のブログ参照)
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左折車両と同方向に走っていた自転車が8件。
逆方向から横断していた自転車が1件で、意外かも知れないが、私が以前のブログに書いた内容と同様の傾向が見られた。
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要するにクルマと逆方向に横断する自転車は、下のイラストの様に向かい合う形になるため見落とされる事が少なく、内輪差の影響も受けないと思われるのだ。
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右折事故

右折事故は6件で、全て歩道からの自転車である。
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自動二輪において危険性が知られている前方車道からの右直事故は1件も無かったが、サンプル数が少ないためその危険性は何とも分からない。
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左折事故とは逆に、自転車が左(前方)からの方が少なかった。
これは左折時と同様に後方から来る自転車は見難いためだと推察できる。
件数が少ないものの、左折事故の様に特に大型車両が多いという事はなく(大型車は1件だけ)、これは、トラック協会の資料と整合する内容となった。
貨物車において、左折事故の相手は自転車が多いが、右折事故の相手は歩行者が多い。(出典4)

以上が信号交差点での、死亡事故42件である。(1件だけは特殊なケースのため後日取り上げます)
自転車やクルマの運転に際し、少しでも安全の参考にしていただければ幸いである。
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個 人 的 考 察
まだ150件全てを紹介した訳ではないが、実に半数の死亡事故は下図のように幹線道路をなんらかの方法で横断する時に起きている事が分かった。
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以下は私個人の見解になるが、これは、衝突するクルマの速度が速いためと考えられ、横断の安全性は自転車施策を考える時に、非常に重要なポイントでは無いだろうか。
斜め横断や信号無視のような危険な横断はもっての他だが、基本的に横断禁止でなければ横断は違法ではないし、横断歩道や信号のある交差点を使っても危険性は残る。
また、誰でも歳をとり、動きが緩慢になったり、判断が遅くなったりもするだろう。   
現在、下の図が幅を利かせ、左側通行をすれば出会い頭事故を大きく減らせるというのが定説である。
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出典:土木技術資料51−4
しかし、今回の150件の分析では上図の事故形態は3件と少なく、むしろ歩道や横断歩道をクルマと同方向に進んでいた自転車の方が死亡事故が多かった。
これは、前述したように、左折事故において事故件数にはっきりした差があるためで、総計でもそうなってしまうのだ。(あくまで歩道を通行した場合の話で、車道の逆走は正面衝突などの危険性があるため別)
これを踏まえて、上の図だけでなく、圧倒的に多い横断中の死亡事故にも目を向けるのであれば、道路状況により、次のような3つの観点も走行空間を考える際に必要では無いだろうか。

1.横断回数の低減
車道左側走行を徹底すると横断回数はどうしても増える。(下イラスト参照)
横断しないで済むのならばそれに越した事はない。
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2.安全な横断の選択
横断する場所には、横断歩道や信号の有無、交通量の差などがあり、どこでも同じではなく、双方向の移動が可能であれば、比較的安全な場所を選択して横断する事ができる。
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例えば、横断しやすい場所が右手にあっても車道走行では逆走になってしまう。
左手にある場合でも前もって横断してしまうとその後、逆走になる。
上のイラストで車道走行の場合、横断歩道の無い場所で渡るか、交通量の多い大きな交差点で三回横断が必要になる。
説明用に作った架空のイラストマップではあるが日常的に普通にある事を元に制作した。

3.横断距離を抑える
自転車の走行空間を車道に設けた場合と、歩道内に含めた場合とでは、横断距離が違ってくる。
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距離が短い方が発生する事象を予測しやすく、危険に晒される時間も短くて済む。
信号がある場合でも、横断距離が長いと高齢者などは時間内に渡れない場合もあり、これは歩行者にも言える事である。
死亡事故には高齢者の横断中が多い事を考えると、横断が多い場所などでは、これらを考慮した走行空間や、あるいは、安全に横断できる場所を新たに設けたりする必要があるのではないだろうか。

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ここまでで、死亡事故150件のうち109件を掲載しました。
あとは、
・単路部分
・単独事故
・対自転車・歩行者
・その他
です。

(出典1)事故事例に学ぶ自転車の信号無視による事故
交通事故総合分析センター
https://www.nisshinfire.co.jp/corp/pdf/si88_jikojirei.pdf

(出典2)右から自転車、要注意=目立つ出合い頭、死亡事故−警察庁
時事ドットコムニュース
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017022700130&g=soc

(出典3)平成28年における交通死亡事故について(P24) 警察庁交通局
https://www.npa.go.jp/toukei/koutuu48/H28_jiko.pdf

(出典4)平成28年1〜12月の交通事故統計分析結果
〜 発生地別 〜(P80) 全日本トラック協会
http://www.jta.or.jp/kotsuanzen/jiko/ITARDA_h28.pdf

事故概要図・写真の引用元については、前回のブログを参照して下さい。
http://otenbanyago.at.webry.info/201703/article_1.html

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