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zoom RSS 相模原自転車道の新規開通部分と双方向考察

<<   作成日時 : 2015/02/12 23:02   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

今回は相模原にある自転車道の新規開通部分を見学してきたので、その様子をレポートすると共に、双方向の自転車道について考えてみたい。

1月26日に開通したそうだが、以前から開通している部分を含めると1.4kmになる。
そして今なお延伸工事中だ。
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報道発表資料:開通のお知らせhttp://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000615406.pdf

以前開通した部分は好評で、早期延伸の声が上がっていた。
開通済み区間の整備経緯・成果:http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000105761.pdf


では、早速現地の写真を見ていただこう。
今回延伸した一番西側、自転車道の始まり、終わりである清新交差点である。
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両側に幅3.0mの双方向の自転車道がある。

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交差点へはボラードを使って減速させて歩道に混合される形になる。
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一時停止のサインだが守っている人はいなかった。
何か起きたときに自転車の責任を明確にするための物と思える。
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単路部は幅が3.0mあり快適だ。
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縁石は高さ4cm位だろうか。
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自転車道内での左側通行は良く守られている。
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すれ違いも余裕ででき、車道、歩道からもしっかり分離できている。
国道16号は大型車両が多い場所なので、構造分離は安心感が高い。
もっとも一部有識者によると車道レーンの方が安全性は高いとされている。
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これだけ広く自転車道が取れるのもこの場所に側道があったからだ。
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(street viewよりキャプチャ2010年4月撮影)
とはいえ駐停車車両に使われていた道路を自転車に再配分したという点は重要な事だ。
そして、コストをかけても良い物を作りたいという気運が社会にある事も見逃せない。

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信号のある交差点部ではやはりボラードで減速させて歩道通行になる。
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交通量の少ない脇道交差点ではボラードは一本あるだけで直進する。
こういった場所では自転車道を車道に分断されずに、そのままの高さで連続させた方が自転車の快適性が保たれると同時に、車の減速が促される。
ちなみにボラードは自転車道を自動車が走らない様にする意味もあるという。
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車道との境目は自転車道の方が滑らかなスロープで、歩道では数センチの段差があるため、自転車道の方が走りやすい。
また路面も歩道はインターロッキングブロック、自転車道の方が滑らかなアスファルトなので普通は自転車道を選択するはずだ。
こういった工夫が利用率を上げているに違いない。

場所によっては一旦車道側に屈曲させて、ボラードで減速、一時停止、その後歩道上を徐行するがガードパイプがあるためそれを避けての横断となる。
もう少しスマートに設計できない物かとも思うが、車道側への屈曲は資料によると、出会い頭事故を防ぐためという。
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しかし左折車両がある場所では、車道から自転車道を離した方が巻き込み事故は防げると思う。
逆に緩衝帯の幅を細くして車道に近づけている。
おそらく昨今の分析、自転車は車から見える方が安全。歩道に隠すな。という理論の影響では無いだろうか。
出会い頭事故は減るかもしれないが、疑問の残る設計だ。
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歩道上に柵を設けて歩行者と車の出会い頭事故を防いでいる。

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ちなみに下の写真は上と同じ場所を、私が2014年9月3日に撮影したもの。工事が進んでいる部分もあったが5ヶ月経たないうちに開通させたのは早いペースと個人的には思う。
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最後にバス停付近。
昨今自転車とバスとの事故が問題となっているが、バスとの干渉が無いのは、自転車道の大きな利点だ。
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自転車道を横断して島式のバス停に渡る。歩行者優先で停止線と歩行者注意の標識がある。
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利用率は高いのだが、たまに車道を走る自転車もいる。
ロードバイクのように高速で走れるのなら車道の方が快適と言うのも分かる。
本来自転車道を走らなければならないが、本人判断で車道の通行を認めても良いような気もするし、
大型車両が多い事から自転車道を走らせた方が良いような気もする。

いろいろ問題点も書いてしまったが、この相模原自転車道は私のようなママチャリストには十分な走行空間である。
どこでもという訳にはいかないだろうが、新規道路や、拡張、改修工事を行う場所で検討していただきたいと思う。


双方向自転車道だが、2月5日の毎日新聞によれば、
http://mainichi.jp/shimen/news/m20150205ddm012040090000c.html

自転車道「一方通行に」 有識者会議

(要約)有識者会議が4日あり、自転車道設置の際は一方通行とするよう求める考え方が示された。異論がなければ、今年夏の国への提言に盛り込まれる見通し。
双方向通行の場合、交差する車にとって左右両側から自転車が現れる形となるため、事故の危険性が高まると指摘されている。

詳細は分からないが、もうこの様な自転車道は延伸も新規の着工も出来なくなるのかも知れない。



本当に双方向は危険なのだろうか?

少し掘り下げて考えてみよう。
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まず、信号のない細街路や駐車場の入り口部分だ。
自動車との事故の危険性は3パターン考えられる。
上写真の赤矢印で示した、右折・左折・出会い頭である。

このうち右折は、中央分離帯があれば不可能である。
道交法上無理な場合もあるし、可能でも交通量の多い幹線では危険が伴い、実際はほとんど行われない場合もある。

左折はどうだろうか。左折車が細街路に入る際の事故割合のデータがある。

(引用:成功する自転車まちづくり 古倉 宗治著)
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データは自転車道では無く歩道上のものであるが、赤線が100万台通行あたりの事故件数である。
データによれば、歩道を逆走(便宜上逆走と呼ぶ)した場合は左折車に対して衝突の確率が低い。
これは左折車の死角に入ることなく、お互い向き合う形になる事から視認しやすいためだと思われる。

次に出会い頭を見てみよう。
(引用:成功する自転車まちづくり 古倉 宗治著)
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歩道逆走は建物寄りを走ると死角になり危険性が高いが、車道寄りを走った場合、順走でも逆走でも危険性に大きな差は無い。
自転車道であれば走行位置を車道寄りに限定できる。

次に信号機がある交差点を考えてみる。

自転車事故全体では7〜8割を出会い頭事故が占めるが、大きな交差点では信号によって交通整理が行われるため出会い頭事故は逆に少ないのだ。
引用:自転車工業会 自転車との安全な共存のために PDFのP32)
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当然といえば当然である。
むしろ右左折の事故が多い。信号を守っても発生するからだ。

自動車の左折時については先ほど述べたとおり、死角に入りにくいというメリットがある。
バスやトラックなどの大型車でも運転席が右にあるため右方向は比較的よく見える。
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左折事故の原因として悪名高い内輪差の影響も受けない。
歩道、自転車道を逆走すれば、少なくとも、左折巻き込み事故の危険は回避できる。

イタルダインフォメーションNo.47 続・自転車事故によれば、
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信号のある交差点で特に多いのは右折する自動車との事故である。
上図、赤の破線内であるが、このデータで見る限りは特別に逆走が順走に比べて危険な訳ではない。
ついでに言えば左折時、出会い頭においても歩道逆走の方が事故件数が少ない。
黄色の部分が歩道逆走の事故件数であるが、合計すると、
逆走:20件
順走:28件となっている。
逆走の場合はクルマと衝突する前に視認性の良い開けたスペースを進行し、右ハンドル車の死角にも入りにくいためと私は考えている。

さらに、この自転車道における、相模原駅入り口交差点や清新交差点では右折分離式信号を使用しているため、信号無視が無い限りは右折車との事故は起きない。
写真に写っている信号は普通の青信号になる事はなく、歩行者、自転車などをストップさせた状態でクルマが右折する。
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国道16号の、この近辺の信号は他も右折分離式信号が多い。

双方向自転車道は、それが終わったところで逆走になり危険と言われるが、工夫する事で比較的安全に横断し、歩道通行、または車道左側通行を続ける事ができる。

残る大きな危険は自転車同士の正面衝突であろうか。
確かに危険性はあるが、世の中には狭い道で、自転車どころか歩行者、自動車(規制速度30km)とすれ違う場所はいくらでもある。
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(写真は国立市第三小付近)
サイクリングロードなども自転車だけでなく歩行者も含め双方向の所が多い。
自転車道にある程度の幅が確保できれば、許容範囲内のリスクであると考えられるのでは無いだろうか。

もうひとつ付け加えるとすれば、双方向でない自転車レーンの場合、逆走方向への移動は大回りとなり、交差点を横断する回数が増え、その危険性も増える事になる。
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誤解しないでいただきたいのは、どこでも双方向が必要だと思っている訳ではないし、危険性があるのも承知している。
狭い場所で双方向に走ると接触して車道に飛び出したり、正面衝突で自転車同士でも死亡事故につながる事もある。

しかし上で述べたようにきちんと双方向で発生する危険性を分類し、それぞれの危険性を下げる研究を積み重ねていく事は、そこに関わる事を職業とする者の義務ではないだろうか。

双方向を一定のリスクの範囲に収めるには、どれくらいの幅員がいるのか?
自転車が車道に飛び出さないためには、どのような縁石、柵、緩衝帯が必要なのか?
他にある危険性とその対策は?

怪しげな統計操作に没頭するのではなく、そういった研究を進めるために、研究者は存在しているのではないだろうか。

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話は少し変わるが、なぜ高速で長距離走るツーキニスト、サイクリストは双方向を目の仇にするか?

例えば、あるスポーツ自転車愛好家のブログにはこの相模原自転車道について、下のような感想が書かれている。
路肩の赤い部分ですが、ポール危ねえなぁ。
それに、対向の自転車もあるし、走りにくいので、結局車道を走ってしまいます。
路肩を広げて青く塗ってくれればそれが一番いいんだけどなぁ。


今回、私は東京都から自転車で相模原まで行き、
そして自転車道を走って、折り返して帰って来た。

こういった長距離移動では、双方向でなくても全く困らない。

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行きは写真左の自転車道を通って、帰りは折り返して右から帰ってくる。

むしろ、向かいから来る対向自転車は目ざわりな邪魔物以外の何者でもない。
特に高速で走るのであれば、尚さらそう感じるはずである。

さらに、周囲に柵や縁石、ボラードも無いほうがかえってスピードを出して走りやすい。
これが一部のスポーツサイクリストの考え方だ。

こういったスポーツサイクリストやツーキニストの声が、国や自治体の会議で主流になってきている。
趣味でたまに通過する自転車ではなく、その地域でどんな使われ方が多いのかを考慮する事が重要なはずだ。

その町に住んでいる方々は例えば、子供を迎えに幼稚園に行き、
スーパーに行き、八百屋に行き、郵便局にいって帰る。
双方向でないと、信号待ちをして大きく迂回して移動する事になる。
実際にやってみると分かるが 「こんなやついない」 という大回りルートになる場合もある。
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この相模原の自転車道に限っては、自治会や商店会など地元密着型の懇談会を中心に計画が進められたため、整備済み区間の利用率や評価が高い。
子供、高齢者、子供乗せ自転車、女性に利用されている点が、青く塗っただけの自転車レーンと大きく違う点である。
他の地域では地元住民が置き去りにされ、たまにスポーツ車のみが通過利用する自転車レーン・ナビラインも目立つ。
下の写真は綱島街道(神奈川県川崎市)
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国立市に行った時、自転車道が双方向でないため、押し歩きの自転車を多く見かけた。
その遵守率の高さに感心したが、歩道も車道も十分に広い学園通りで本当に安全性と利便性を兼ね備えた物が不可能なのか、素直に押し歩きをする皆さんの背中を見て考えてしまった。
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双方向を望むのは自転車利用者の甘えなのか?

いや甘えているのは追求を放棄した有識者ではなかろうか。


最後にオランダの先進的な双方向自転車道交差点の動画を掲載して終わりにします。

以下動画冒頭部分の翻訳
(オランダの)スヘルトーヘンボスでは新しい自転車用信号機を導入した。

この信号機では、駅までの早い横断ルートが表示されます。
右回りが早いのか、左回りが早いのか。

自動車だけでなく、自転車も交通量の多い交差点です。
ここは周囲に自転車道がある一般的なオランダの交差点ですが、
自転車道が双方向になっています。

もし、あなたが左折したいと思った場合2つの選択肢があります。
普通に直進してから、左に行く方法と、先に左折してから右に行く方法です。
逆走に思われるかもしれませんが、ここでは許されており、多くの人がそうしています。

もちろん通常の順走もできます。こちらを好む人もいるでしょう。
しかしこの交差点ではどちらの方法でも、例え子供でも簡単に横断できます。

そして最も良い点は、どちらの方法をとっても、2度目のターンで早く進める様になっている事です。 
待つ必要が無いのです。



今までの自転車に関するブログ記事です。

↓第1回 自転車は本当に車道のほうが安全なのか?
http://otenbanyago.at.webry.info/201406/article_1.html

↓第2回 車道走行の危険性を検証する。国土交通省資料のウソ
http://otenbanyago.at.webry.info/201406/article_4.html

↓第3回 自転車−車道と歩道の事故率 毎日新聞を検証(1)
http://otenbanyago.at.webry.info/201409/article_1.html

↓第4回 自転車−車道と歩道の事故率 毎日新聞を検証(2) 
日本の自転車事故死亡率が高いのは本当か
http://otenbanyago.at.webry.info/201410/article_1.html

↓第5回 自転車ナビライン千石交差点の資料を検証する
http://otenbanyago.at.webry.info/201411/article_1.html

↓第6回 ママチャリの走る国は自転車後進国なのか?
http://otenbanyago.at.webry.info/201502/article_1.html

↓第8回 千石交差点 不可解な自転車事故の減少
http://otenbanyago.at.webry.info/201502/article_4.html

↓第9回 オランダに自転車道は少ないのか?日本でも不要なのか?
http://otenbanyago.at.webry.info/201505/article_2.html

↓第10回 歩道通行の自転車に交通機能上の利点は皆無か。
http://otenbanyago.at.webry.info/201506/article_1.html

↓第11回 有名なあの図を検証する。
http://otenbanyago.at.webry.info/201510/article_1.html

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